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2018-05-28

ART MEETS 03アーツ前橋 2016年「作品解説」康夏奈 / 「作家解説」今井朋

絵付けされる前の白いだるまに出会った。なんとなく転がしてみた。すると、目鼻や前髪の凹凸が地形のようで、地球に見えてしまった。

島で暮らし始めて早4年、目の前に遠くまで広がる海を見ながら、それが地球という球体の表面にあるという、宇宙からのもう一つの視点とともに、風景を解釈し始めた矢先の白だるまとの出会いだった。

スナップ写真であれば、シャッターひとつで3次元の風景を2次元に切り取れる。しかし、そういう訳にはいかないのが、頭の中の空間認識能力だ。

頭上でも、背中でも、足の裏でも、見えている。さらに、想像力までついてくる。

頭の中に描かれる風景画というものは、空間が歪み、距離も越え、スケールは自分の都合のいい解釈で、決して2次元で理解されている訳ではない。時空も物質も超えた、もやもやした立体的な映像のように、自由自在に変形可能なものである。それが、転がした白だるまと出会ったとき、一瞬彼に、投影されてしまった。

だるまさんがころんだ。そして、地球になった。

2016年3月3日 康夏奈

今井朋

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